山下智久「正直不動産」が絶好調! その裏に透ける不動産業界の“不正直事件”

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 俳優の山下智久が主演するNHKの連続ドラマ「正直不動産」(毎週火曜22時~)の評判がグングン上昇している。

 NHKは<予想をこえる再放送へのご要望にお応え>するとして、“異例”ともいえる2度目の連続再放送を決定した。

 ドラマは、山下演じる不動産営業マンの永瀬財地が「祟り」で嘘が付けなくなり、安くて条件のいい賃貸物件に住みたい、夢のマイホームに暮らしたい─と願う顧客に「本音」を明かして向き合う内容だ。

 登場する顧客それぞれが抱える人情味あふれる背景も描かれ、SNSでは〈私もこんな不動産営業マンに会いたい〉〈一生モノだからこそ、物件やローンのメリット、デメリットを正直に説明してくれるのはありがたい〉といった賛辞の言葉が並ぶ。

 東京都内で中小不動産業を営む男性(51)がこう言う。

「最近、ふらっと現れたお客さんが『ここは正直ですか』なんて聞いてくる。こちらも、思わず『はいっ』って答えますから、当然、物件のことを包み隠さず話します。皆さん、『正直不動産』を見ているんでしょうね。あの事件で『不正直』の烙印を押されたに等しい業界にとって久々の明るい話題ですよ」

2010年代半ばの「かぼちゃの馬車事件」

「あの事件」とは、2010年代半ばに起きた不動産販売会社スマートデイズ(当時)とスルガ銀行を舞台にした「かぼちゃの馬車事件」だ。

 2012年に創業したスマートデイズは、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開。〈30年一括借り上げ〉〈自己資金ゼロ〉〈サブリースで空室の心配なし〉などと「不正直」のセールストークで顧客を獲得し、わずか3年半で売上高を約70倍に急成長させた。

 同社は、相場よりも高い値段で土地と建物を顧客に購入させつつ、シェアハウス「かぼちゃの馬車」を建築した下請け会社からも多額のキックバックを得ていたとされるが、やがて過剰なアパートローンを背景にしたビジネスモデルが問題視されるようになり、結局、2018年に破産。当時、億単位の負債を抱えた顧客からは〈騙された〉〈噓の説明を受けた〉などと怒りの声が続出。債務減免を求める顧客とスルガ銀行の民事裁判は今も継続中だ。

「『正直不動産』のドラマでも、ライバル会社の営業マンが売り上げのために都合の悪いことや、ローンを組む際のデメリットについて黙っている場面が出てきます。そして、実は不動産業者と同様に融資担当の金融機関の存在が大きいことも描かれている。モデルは『かぼちゃの馬車事件』そのものではありませんが、随所に事件の場面が出ているような気がしますね。今の業界は、賃貸は貸主の方が多くて借主がなかなか見つからない。それで手数料収入が大きいタワマン販売に力を入れる業者が多いのですが、例によって顧客の奪い合いです。まっ、出来得る限り正直に行きたいと思っていますが…」(前出の男性経営者)

「正直不動産」は、多くの人にとって不動産売買や賃貸をめぐる様々な「実例」を知る手がかりにもなっているのかもしれない。 

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