「西品川温泉・宮城湯」マットなしではヤケドしそう。隣の江戸っ子職人風と根比べ
西品川温泉・宮城湯(東京・下神明)
東急大井町線下神明駅から歩いて3分。閑静な住宅街にたたずむビル型銭湯「宮城湯」は、昭和27年創業の大衆浴場だ。エレベーターで2階に上がり、フロントで入浴料500円、サウナ代250円、レンタルサウナマット代150円、タオルセット代200円を払ってレッツゴー。
浴室は1階と3階にあり、毎週木曜日に男湯と女湯が入れ替わる。1階は純和風浴室、半身浴、電気風呂で、3階には露天風呂、寝風呂がある。それぞれに備えるサウナは同じで、この日は3階が男湯の日だった。
「15年ほど前に内装をリニューアルしました」とフレッシュな4代目。白くて明るい浴室は、カラン回りのタイルなどところどころに昭和レトロの面影を残す。
主浴槽の白湯は、地下30メートルからくみ上げた井戸水で42度。背中や腰にジェット泡が当たるバイブラが2床、肩回りをバイブラでほぐす寝風呂を3床備え、ブクブクを楽しむ。ふーっ。
■天然露天風呂の開放感に都心を忘れる
さてと、露天風呂は竹柵と木で囲まれた広い岩風呂で、何と地下100メートルから湧出した天然温泉だ。若々しさを取り戻せるメタケイ酸を含み、わずかに黄色みを帯びる。41度に体を横たえ、大空を見上げる。
開放感が半端ない。竹柵の間から品川の高層ビルがチラリと見える。そうだ、ここは東京だ。都心であることを忘れそうなほど趣がある。
体がぽかぽかしてきたところでサウナだ。白木と白タイルの室内。遠赤外線ガスストーブの設定温度は100度。マット片手に足を踏み入れると、あっちぃ。床板が激アツで、つま先立ちで足早にベンチに向かう。
上段3人掛け、下段はL字の4人掛けで上段にどっこらしょ。マットがないと、尻がヤケドしそうなほど木が熱い。
隣に陣取る江戸っ子職人風の年配は腕を組み、眉間にしわを寄せながらジッと耐えていた。よし、このオヤジと根比べだと勝手に決めつけると、1分もしないうちにオヤジは退散。それほど室内は激アツだった。
丸いオレンジの照明2つに照らされたサ室は、壁にテレビが埋め込んであるが、無音で字幕放送ゆえ、耳に入るのはストーブがジジッジジッとうなる音だけ。
鼻呼吸をすると、輻射熱がダイレクトに鼻を刺す。めちゃ痛い。たまらず鼻をタオルで覆う。準備完了。慣れてくると、湿度もあり、心静かに落ち着いて汗を流せる。
下段に移動すると、熱さがややマイルドで心地いい。12分計で10分、汗だらっだらで退散だ。
サ室横の水風呂は井戸水で、キャパは3人ほど。キンキンの14度は季節によって変動するそうだ。深さ90センチほどの浴槽にふーっと身を沈めると、バイブラのブクブクが火照った体を優しく癒やす。あぁ~、タマランチ会長~。
ゆったりと3セット完了。露天エリアの丸太椅子にどっかと腰を下ろして夜風を浴びる。都会にいながら天然温泉の露天風呂でサウナを満喫。サイコーにととのった。