東京・大谷田「明神の湯」水量2.5トン14度の岩風呂にもたれてウトウトしてきた…
明神の湯(東京・大谷田)
JR亀有駅北口から「葛飾車庫行」または「西水元循環行」のバスに乗って5分ほど。「大谷田」で下車すると、都内屈指の湯治場「大谷田温泉・明神の湯」にたどり着く。
2004年にリニューアルした施設は、まるで老舗旅館の趣だ。2階に上がり、券売機で入館料1100円(土日祝1300円)とタオルセット250円を購入し、紺色の暖簾をくぐる。
木造の浴場は広くて、天井が高い。中央には、和照明に照らされた一本木がドーン。おおっ、枝にはヘラクレスオオカブトやノコギリクワガタが見える。オモチャでも童心に返って、気分が上がる。
天然ヒバ造りの大浴槽には、43度の“あつ湯”と41度の“ぬる湯”があって、地下約1300メートルから湧出した琥珀色の湯の効能は、疲労回復や神経痛、筋肉痛、五十肩などで、の~んびりと体をいやす。
浴場から一歩出ると、露天風呂エリアだ。42度と41度の薬師の湯、41度のひのき風呂2槽、37度の人肌の湯の3種類が、木々と岩に囲まれた空間に点在する。マイナスイオンをたっぷりと浴びると、ここが都内であることを忘れそうだ。
お気に入りは、天然ヒノキを使ったひのき風呂で、1人分の湯船を独り占めできるのがいい。ア~ビバノンノン。贅沢な気分になる。
■セルフ熱波にあー、極楽極楽
体が温まったところでまず高温サウナにGO。入り口に用意されたサウナマットを手にドアを開けると、定員は17人。白木と白レンガ造り。若いサウナーや年配客の間を抜けて、3段ベンチの上段にどっこいしょ。
背面に電気ヒーターが内蔵されたボナサウナは90度。最初は熱さで鼻が少しチリチリしたが、湿度がちょうどよく、慣れてくると心地いい。正面のテレビから流れる情報番組を見ながらボーッ。12分計で10分耐えると、全身汗ダラダラ。ドアを開け、かけ水で汗を流して水量2.5トンの大きな水風呂にザブン。
チラーが効いた14度の浴槽は、水深60センチほどで岩風呂になっている。岩にもたれて、軟らかい水で火照った体を冷やすとうとうとしてきた。
次はミストサウナだ。馬蹄形のベンチで定員6人。タイル張りの室内は濃塩源泉をじかに蒸して、50度弱に設定。日、月、水、金はよもぎ蒸しサウナが行われている。訪れたのは月曜日。室内に置かれたプラうちわでセルフ熱波をすると、まろやかな熱さときめ細かい蒸気にのって若草の香りが鼻をくすぐる。あー、極楽極楽。