突如浮上した“超富裕層増税”の罠 年収30億円超への課税強化で「1億円の壁」問題は解決しない
国民をなめるにも程があるのではないか。
政府自民党は、1年間の総所得が30億円を超える超富裕層への課税を強化する方針を固めた。年間所得が1億円を超える富裕層ほど所得税の負担率が下がる、いわゆる「1億円の壁」の是正に踏み切るという。
13日自民党税制調査会の宮沢洋一会長が、「年収平均30億円くらいの方について少し負担を増やさせていただく」と表明した。年間所得が30億円を超える超富裕層は、全国に200~300人いるという。
「1億円の壁」が生じるのは、「給与所得」の所得税率が金額に応じて55%まで上がるのに対し、株式の配当などの「金融所得」の税率が一律20%と低いためだ。金融所得が多い富裕層ほど税負担が軽くなるという不公平が生じていた。岸田首相も総裁選で「1億円の壁の打破」を掲げていた。
しかし、さっそくネット上では<だからさ、1億円の壁が問題になっているのに、なぜ「所得30億円以上の超富裕層の課税強化」に限定する?>といった疑問の声が噴出している。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)が言う。