電巧社 中嶋乃武也社長(3)商社マン時代は海外の取引相手との関係を築くのに役立った
手品
中学、高校、大学と手品に打ち込んできた中嶋乃武也さん(1960年生まれ)だが、さすがに伊藤忠商事入社後は手品の練習に割ける時間も手品を披露する機会も大幅に減った。
しかし、長年腕に磨きをかけてきた手品は、商社マンとしての人脈づくりの大きな武器になったという。
「仕事で海外に行くと、現地の人のホームパーティーに必ず招かれるんですね。そのときに私は手品を披露して家族と、とくに子供たちと仲良くなるように努めました。手品は人と仲良くなるための最強で最高の道具であり、私は手品を言葉以上のコミュニケーションツールだと思っています。手品を披露するだけでなく、子供たちに一つ二つ手品を教えてあげる。そうするとその子供たちが学校でクラスの人気者になれるかもしれません。そうやって商売相手のお子さんと仲良くなるのが私の商社マン時代の作戦で、手品は非常に役立ちました」
もっとも、そのために後輩からクレームを受けたこともあったと苦笑する。
「後輩から、『中嶋さん、日本人はみんな手品ができると思われています。勘弁してくださいよ』と言われました(笑)」