喜代村(すしざんまい) 木村清さん(2)他の人が釣れなくても私が行くと釣れちゃうんですよ
魚獲り
勤めていた水産会社を辞めて木村さん(1952年生まれ)が自分の会社・木村商店を創業したのは1979年、27歳の時のこと。「今あるものより、いいものを提供する。しかも自社で開発する」をモットーに多くの事業を展開した。その数90以上にもなるというが、それまでの経験を生かした水産物の売買にも注力していた。
まだ海外では人気がなかったマグロに目をつけ、いち早くマグロの輸入に乗り出したのもこの頃のこと。きっかけは30歳の時に訪れたニューヨークでの見聞。ハドソン川沿いのマーケットに立ち寄ると、そこでマグロの大トロも赤身も尻尾もみな1キロ200円前後の安値で売られていた。木村さんがビックリしたことはいうまでもない。
聞けばアメリカ大西洋沿岸の最北部メイン州でマグロが取れるというので、木村さんはさっそく船をチャーターしてマグロを釣りに行き、釣れるだけ釣って日本に運んだ。
■マグロを追って七つの海へ
これ以降、木村さんはマグロを追い求めて七つの海を股にかけるようになる。むろんビジネスが主目的だが、行く先々で趣味としてのマグロ釣りも楽しみ、腕を磨いた。