ネパール人がなぜ「袋」好きなのかがわかった そこには警察官の不当な外国人差別が
昨年末のことだが驚きの体験をした。なんとこの年で警察官から職務質問を受けたのだ。
東京の郊外のKという街に小劇場系の劇団がよく使う有名な稽古場がある。確かにラブホテルやキャバクラなどが多い夜の街の真ん中にあり、治安がいい地域とは言えないが、駅のすぐ近くで歌舞伎町などと比べたら大したことはない。
稽古の帰り、紙袋などを抱えて、半月板を痛めていたので多少足を引きずりながら歩いていたら、1人の警察官が「ちょっといいですか」と聞いてきた。
「はい。なんですか」とごく普通に対応する。警官は「どこ行くのかな」と聞いてきたからメガネとマスクを取って、「いや、家に帰るところですよ」と紳士に対応した。
ところが向こうは、「ちょっと来てもらえるかな」と言ったから驚いた。どこに? 何しに?
「え、何。これって職質?」
「いや、まあ」
おいおい冗談じゃない。夜中に誰もいない道を歩いているんならともかく。20時ごろ駅近くの明るい道を普通に歩いていただけだ。「なんで。何か怪しかった?」と聞くと、「荷物いっぱい持って足を引きずってたから」と言う。この辺は治安が悪いので、抗争でケガをした運び屋かと思われたらしい。いやおかしいだろう! 「年寄りが足を引きずって荷物いっぱい持ってたら、『駅まで持ちましょうか』と言うのがあんたらの仕事だろう」と帽子も取って「ご存じかどうかは知らないが、ラサール石井と申します。決して怪しいものじゃない」と説明し、なんとか事なきを得た。