飲食店のバイトは高時給も若者優先 高齢者は採用されず65歳以上は「門前払い」

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「ということは若い人のほうが有利ですね」「ええ、まあ……」

 権田さんは曖昧にうなずく。前期高齢者を目前にした私は不利だろう。

■時給「1200円→1500円」で応募が増加

 その予感を強めたのが権田さんの「今回、時給を上げて募集広告をかけたんです」との言葉だった。これまでは募集広告を出したものの、何カ月も応募がなかった。そこで時給を1200円から1500円にアップしたという。

「そのせいか応募がくるようになり、毎日面接しています」

「若い人もきますか?」

「ええ」

 その瞬間、私は「落ちた」と思った。力仕事をさせるためにわざわざ60代を雇うはずはない。案の定、権田さんから採用の連絡はこなかった。

 それにしてもだ。時給1200円に見向きもしなかった人々が1500円に群がった。人は少しでも稼げるところに流れていくのだ。まことに勉強になる。バイト面接は実体経済を知るための生きた教科書なのである。 =つづく

(林山翔平)

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