ワンちゃんの繁殖は適正に行いたい…それでも交配してしまったら堕胎薬は“奥の手”

公開日: 更新日:

 ワンちゃんを飼育する上では、不用意な繁殖をしないよう、去勢や避妊を適正に行うのが基本。それでも交配してしまった場合の“奥の手”が、この薬です。アリジンの認可は、時代的な背景も大きな要因でしょう。

 実はこの薬、一部の獣医師の間では効能外の治療でとても評価されています。子宮蓄膿症や子宮粘液症への内科的治療薬としてです。

 子宮蓄膿症は、大腸菌などの感染で子宮に膿がたまる病気です。避妊手術をしていないワンちゃんで、生理から1~2カ月後に発症します。若年発症はまれで、中年からシニアに多いのが特徴です。

 子宮口が開いていると、膿や血液が陰部から排出されますが、閉じていると分泌物がみられません。周りには気づきにくいですが、感染が全身に及ぶと、敗血症などで命にかかわります。

 この薬は、子宮口を開かせる、内科的に排膿することができるのです。薬を使わなければ、外科手術が第1選択で子宮と卵巣を摘出しますが、シニアでは負担が大きく、手術後に亡くなることもあります。

 この薬の登場で悲劇を回避することができるのですが、あくまでも効能外ですから、すべての動物病院で対応してくれるとは限りません。もしシニアで子宮蓄膿症などを発症した場合は、「手術をせずに済む方法はないか」と相談されるとよいと思います。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意