ワンちゃんの繁殖は適正に行いたい…それでも交配してしまったら堕胎薬は“奥の手”

公開日: 更新日:

 ワンちゃんを複数飼っている方は、珍しくありません。同年代くらいのオスとメスを飼い始めて去勢手術や避妊手術をしていないと、自然の流れで交配が成立するリスクがあります。発情したメスが卵巣から分泌するプロゲステロンがオスを誘うためです。

 妊娠の成立と維持にはこのホルモンが不可欠ですが、その働きを阻害する薬「アリジン」が最近、発売されました。人工流産を促す薬で、効能は堕胎薬です。使用は、交配後45日以内に限られていて、交配日の確認はとても重要です。また、使用後はホルモンバランスが崩れるため、副作用の説明も欠かせません。

 動物愛護管理法では、「終生飼育、適正飼育」が飼い主の義務。かかりつけの獣医師は、むやみに繁殖させないように飼い主を指導する立場にあります。

 こうした時代の背景から、去勢や避妊を勧める獣医師は増えましたが、繁殖についての経験豊富な獣医師は若い世代を中心に減少傾向にあるのも事実です。当院でも、難産が予想される際に行う帝王切開は10年も実施していませんし、助産の手伝いはほとんどしていません。「犬の面倒は一生見ます」という飼い主との約束がなければ、法律との兼ね合いで手伝えないためです。助産をトータルで請け負う動物病院は少ないでしょう。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い