著者のコラム一覧
相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

森友事件で停職処分の財務官僚が国会初答弁…「改ざん官僚」はそれでも謝らなかった

公開日: 更新日:

異様さ際立つ「お詫び」なし

 なんだ、さっきの理財局次長とほとんど同じじゃないか、と思われるだろう。だが重要な違いが1カ所ある。それは……、理財局次長の答弁ではご遺族に「お詫び」しているが、中村氏の言葉にはお詫びがない。ただお悔やみを述べただけだ。財務省としては謝っているのに、当事者である中村氏は謝らない。その奇怪さが際立つ。

 これに対し宮本議員は赤木俊夫さんの「手記」の一部を読み上げた。そこでは刑事罰を受けるべき者として佐川氏らと並び中村氏の名前をあげた上で「家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です」と綴っている。宮本議員は「あなた、これを読んだんですか? 読んでも何とも思わないんですか?」と問いかけた。だが中村氏は先ほどと同じ答弁を繰り返しただけだった。再び「お詫び」はなしで。

 中村氏の改ざん事件初答弁はこうして終わった。「改ざん官僚は謝らない」という異様さが確認できたと言える。また彼らが赤木俊夫さんについて「高い倫理観と志」を持っていたと語る姿は、「高い倫理観と志」を持っていなければ不正に手を染め出世もできると言っているようにも聞こえる。

 このやり取りは衆議院がインターネット上で公開しているから、リンクから見ることができる。

 もう一つ、この日の委員会で明らかになったことがある。情報公開・個人情報保護審査会の答申を受けて、その内容と異なる結論を官庁が出したケースは、過去22年間で1万5070件中24件しかない。つまり99.8%は答申通りの結果だ。それでも財務省は赤木雅子さんの情報開示請求を拒絶するのか? その判断は原則として60日間以内に示される。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  2. 2

    コメ在庫の異常なダブつきに農水省も打つ手なし…前年同月比の約1.5倍“300万トン”に到達で価格暴落の可能性

  3. 3

    改正された自転車の交通ルール どこがどう変わるのか? しっかりおさらい

  4. 4

    診療危機だけじゃない! ナフサ不足で“お薬難民”が出る恐れ…それでも高市首相「まだ大丈夫」と強弁ノー天気

  5. 5

    中山美穂さんの死因は入浴中の事故…全国の「入浴中急死者数」は年間約1万9000人で交通事故より多い

  1. 6

    御三家「武蔵高校」復活の兆し(前編) 東大、京大、一橋、東科大に65人、その「秘密」を杉山剛士校長に直撃!

  2. 7

    ナフサ供給に暗雲で迫る医療危機…それでも高市政権「患者不安」置き去りの冷酷非情

  3. 8

    たった1件のクレームで善意が潰される…「やる偽善」すら許されない“病理”

  4. 9

    1949年発行ジョージ・オーウェルの古典SF小説「1984」がフランスでバカ売れのなぜ

  5. 10

    筑波大学の2次募集が受験生と業界で話題 「欠員1人」わざわざ補充のナゼ…どんな人が合格する?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  2. 2

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 3

    柳楽優弥「九条の大罪」23歳新人が大バズり! 配信ドラマに才能流出→地上波テレビの“終わりの始まり”

  4. 4

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  5. 5

    ホルムズ海峡封鎖で習近平指導部が高笑い 中国の石油備蓄量は日本の5倍超、いまだ一滴も放出せず

  1. 6

    高市首相「イヤイヤ集中審議」の一部始終…収まらないイライラ、官邸崩壊もチラつき深まる孤立

  2. 7

    田尾監督には感謝しかない 電撃解任の際は一緒に辞めるつもりだったけど…

  3. 8

    故・中山美穂さんの遺産めぐる「相続トラブル」報道の実相…ひとり息子の相続放棄で、確執の実母に権利移行か

  4. 9

    ボクシング元世界王者・内藤大助さんは昨年ジム開設「ジィちゃんバァちゃんも大歓迎」

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希がまたも背信投球…指揮官まで「物足りなさ」指摘でローテ降格カウントダウン