著者のコラム一覧
相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

佐川宣寿氏への訴えは2審も棄却…赤木雅子さんの心境はZARDのヒット曲「負けないで」そのもの

公開日: 更新日:

 この裁判、勝てっこない。原告の赤木雅子さん(52)にとって、それは織り込み済みのことだった。相手の土俵で相撲を取っても勝てない。裁判の流れから、そのことはわかっていた。法廷で黒野功久裁判長が「本件控訴を棄却する」と言い渡した時は、さすがに心がざわついたけど、表情は変わらなかった。

 被告は、財務省の元理財局長で、最後は国税庁長官になった佐川宣寿氏。森友学園との国有地取引を巡る公文書改ざんで「方向性を決定付けた」と、財務省の調査報告書で指摘されている。しかし、この事件で改ざんを強要され死に追い込まれた近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(享年54)のことについて、妻の雅子さんに謝罪や説明をしていない。

 これについて黒野裁判長は、「改ざんを指示したと評価されてもやむを得ないものといえる」と指摘した。さらに「道義的責任に基づき、あるいは一人の人間として、誠意を尽くした説明及び謝罪をすることがあってしかるべき」とまで指弾した。まさにその通り! ところが「法的には責任がない」と結論付けた。そんな理屈、世の中で通用する? もちろん、するわけない。満杯の傍聴席から抗議の声が上がった。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢