「決断」は嫌々より喜んでするほうが“脳の快感”が増幅するワケ…日々の選択を成功に導く方法

公開日: 更新日:

 人間は日々の生活の中で無数の決断をしています。その小さな決断で小さな成功を積み重ねていくことは、大きな成功を導くカギの一つです。脳神経外科医の菅原道仁さんが、人をやる気にさせる「ドーパミン」の力を活用して脳をその気にさせる方法を綴った『すぐやる脳』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。

  ◇  ◇  ◇

 決断することは、脳にとっては「うれしい」ことです。さらに言うと、自発的に決めようとしたり、選ぶことができたりした場合、脳の喜びは増幅します。

 だから「イヤイヤ決断する」より、積極的に決断しようとする姿勢が大事です。専門的に表現すると、「決断する」という行為は脳の「意識注意回路」に影響を与え、報酬系のドーパミンの活動を活性化させます。

 ラットによる、有名な実験をご紹介しておきましょう。AとB、2匹のラットに同じ量のコカインを注射して、ドーパミンの分泌量を測るという実験です。

 ラットのAは、レバーを引くことでしかコカインを得られません。一方、ラットのBは何もしなくてもコカインを得られます。

 その結果、ラットのAのほうが、膨大な量のドーパミンを出したことがわかっています。

「レバーを引く」ということは、ラットにとっても手間でしょう。けれども、「コカインを得るために、レバーを引く」という目標を自分で設定し、それを実現させたAのラットのほうが、何の努力もせずに報酬をもらったBのラットより、「うれしい」「気持ちがよい」と感じるものなのです。

 この実験を敷衍して考えてみましょう。

 まず決断をするときは、「決断をしたいのは、ほかならぬ私自身だ!」と言い聞かせることが大事です。「やらされている感」があると、脳の快楽中枢は刺激されません。

 また、決断をしたあとは、「今、私は決断ができた!」と脳にしっかりと刻み込むことも重要です。そして、しっかりと「うれしい!」「気持ちいい!」と感じることです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち