若手には恩恵、報われない就職氷河期世代…これが「大幅賃上げ」の表と裏だ

公開日: 更新日:

 6日に発表された6月の毎月勤労統計調査によると、名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額はプラス4.5%と、消費者物価指数のプラス3.3%を上回り、2年6カ月連続の増加で推移している。

 物価上昇とともに、さまざまな企業で賃金アップが報じられているが、恩恵を受けているのは主に若手社員だという。

「平均賃上げ率は5~6%ほどですが、全世代が一律に上がっているわけではありません。33年ぶりの大幅賃上げと言われていますが、若年層の人材確保や離職防止を目的として若手の賃金を手厚くする一方で、そのしわ寄せは既存社員に来ていて、上に行くほど賃上げされていません。特にポジション的に苦しいのが、40代前半~50代前半の就職氷河期世代と言われる人たちです」(人事ジャーナリスト・溝上憲文氏)

 バブル崩壊後の1993年から2005年にかけて社会人になった就職氷河期世代は、新卒で正社員になれなかった人が多く、進学も就職もしなかった人を指す学卒無業者が、00年度は大卒者の22.5%を占めた。就職できたとしても非正規採用が多く、高学歴ワーキングプアという言葉が聞かれ始めたのもこの頃からだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった