東大は約11万円の授業料値上げ…国立と私立の学費格差是正をめぐる"暗闘"の結末

公開日: 更新日:

 東京大学の授業料値上げは、学生や一部教員の反対の声もあったものの正式に決まった。国立大の授業料標準額53万5800円から11万円弱引き上げ、64万2960円としたのである。標準額より高い授業料の国立大は、ほかに東京工業大学・東京医科歯科大学(現東京科学大学)、東京芸術大学、千葉大学などがあり、すべて首都圏の大学だ。今のところ、それ以外の地域の国立大では値上げ追随の動きは出ていない。  

 昭和の時代、学費値上げ反対闘争は学生運動の“定番メニュー”であり、早慶も例外ではなかった。ところが時代は変わり、慶応義塾の伊藤公平塾長は、国立大の授業料を150万円程度に引き上げるべきだと、中教審で意見を提出した。それは、有名私大の多くが加盟している日本私立大学連盟の国立大授業料の上限規制撤廃という提言と連動する。私立大の立場でありながら、国立大でも「各々の大学の判断で授業料をどんどん上げて、その分を研究・教育に資金を回すべきだ」というのである。

 ただ、その本音は授業料など、国公立大と私立大の学費格差の是正も含んでいると思われる。コスパを重視する現在の大学生は、私立大はコスパが悪いと感じているからだ。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発