著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

「かわいそうな日本の老人」…訪日した中国人がタクシー運転手にギョッとするわけ

公開日: 更新日:

 中国人が定年を心待ちにするのは、厚みのある年金が支給されるため。だが間もなくこのシナリオも崩壊する。というのも、中国では2035年までに公的年金の積立金が枯渇するといわれているからだ。今年9月の全人代(全国人民代表大会)で、定年年齢を来年1月から段階的に引き上げ、男性を現行の60歳から63歳に、女性を58歳まで延ばしたのもそのためだ。

 これに対し大連市在住の会社員は「間もなく定年で楽できると思っていたが、9月に定年引き上げが発表された。これで年金生活は遠のいてしまいました」とじだんだを踏む。

■いずれ日本が“手本”と化す

 実は定年引き上げには市民から猛烈な反発が上がっていた。労働者が層を成す中国だが、肉体的にも精神的にも厳しい低賃金労働なので、すぐにでもやめたいと願う人が多い。

「定年引き上げにより退職者が減れば、若者の就職の機会はますますなくなる」(前出の留学生)とする声もあった。新婚夫婦からすれば、高齢者(自分たちの父母)が働き続けることは育児支援者がいなくなることを意味する。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ