犬猫の「脾臓トラブル」は獣医師の経験値が試される 症例によって対応に大きな違いあり

公開日: 更新日:

 食欲が落ちて、ぐったりしていることが増えたというネコちゃんが連れてこられました。10歳。超音波検査で腹部を調べると、脾臓が腫れていました。結論から言うと、免疫の暴走によって血小板の減少や赤血球の破壊による貧血などが起こる病気です。突発的に発症することも多く、ハッキリとした原因は不明ですが、過度のストレスも一因とされています。

 飼い主さんは別の人からその子を引き取ったそうです。元の飼い主さんの都合で何人かが交代で面倒をみていたらしく、不安定な状況のストレスが影響したのかもしれません。ネコちゃんでは、飼育環境の変化などもストレスになることがあります。ワンちゃんも発症しますが、ネコちゃんでは純血種に多いような気がします。その子も純血種でした。

 免疫の暴走はヒトでもあって膠原病がその典型です。今回のケースは、本来攻撃対象ではない血小板や赤血球が攻撃を受け、その結果、出血や貧血を生じる病気です。まれな病気ですが、8年前に治療したことがありました。

 当院のような町の獣医では診断が難しく、一般的な血液検査のほか、外注で調べる免疫学検査が不可欠。それには数日かかるため、治療が後手に回ることも少なくありません。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情