著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

早実初等部はルール違反の高額寄付金要請で創設直後に大コケ

公開日: 更新日:

早実初等部vs慶応幼稚舎(2)

「早稲田実業初等部は最初から大きな失敗をしているんです」と話すのは早稲田大の元教授。早実初等部の創設にかかわった一人だ。「慶応幼稚舎に匹敵する小学校を早稲田にも」と多くの関係者が意気込んだが、早々につまずいたという。

 2004年1月、早実初等部が前年11月の入試の面接で保護者全員に350万円の寄付を求めていたことが発覚。開校した02年度と翌03年度も300万円を要求していた。募集要項には1口10万円で5口以上と記されていたが、それをはるかに上回る高額寄付を要請していた事実が明るみに出た。

「合否が決まる前に寄付を依頼するのは文部科学省が定めたルールに違反すると誰もがわかっていたが、背に腹は代えられない事情があった」と元教授。早実は初等部開設に合わせ、男子校だった中・高等部を共学化し、新宿区から国分寺市に移転。だが、誤算があった。

「初等部の開校時には1年生だけでなく、6年生まで全生徒を一括して募集するつもりだった。ところが、生徒を引き抜かれると心配した周辺の私立校が猛反発し断念。常識的な額の寄付金と授業料、助成金などで移転費を賄う予定だったが、当てが外れた」(元教授)

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」