スルメイカ歴史的不漁で「いかめし」大ピンチ! 解禁初日の北海道南部は“漁獲量ほぼゼロ”の異常事態
市場関係者に激震だ。今月1日に北海道南部でスルメイカ漁が解禁。函館漁港からは11隻が出漁したが、漁獲はほぼゼロで、函館市水産物地方卸売市場で2日予定されていた初競りも取りやめに。市場開設以来、初競りが開かれないのは初めてだ。
もともと不漁続きではあった。同市場のスルメイカの取扱量は減少傾向にあり、2023年には317トンで、統計を取り始めた05年以降で最低を記録。昨年もピーク時(08年=8924トン)の4.5%にあたる400トンまで落ち込んでいた。
なぜスルメイカが取れなくなったのか。国立研究開発法人「水産研究・教育機構」の担当者に聞いた。
「スルメイカは、主に太平洋側で8~12月に取れる冬季発生系群と、主に日本海側で5~10月に取れる秋季発生系群に分かれます。前者は九州でも降雪が確認された15~16年に、東シナ海の水温が下がり過ぎて稚イカが大きく数を減らしてしまった。親イカの数が現在まで回復せず、資源量が増えない一因になっていると考えられます。また、近年は後者の資源量の減少も確認されています。原因は調査中ですが、こちらも同様に海洋環境の変化が影響しているとみられます」