著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(6)深夜のホットドッグ

公開日: 更新日:

 何を話すわけでもない。近くのホテルの解体に1年かかるらしいとか、カウンターにおいてある夕刊の記事にからんだ世間話など、とりとめもなく話す。今回の万博で、神戸の名バーテンダーが、そのまた師匠が1970年万博のときにつくったカクテルを再度お披露目したことを毎日新聞のコラムが伝えていた。

 79歳の超ベテランが、55年前に考案された師のカクテルをつくる……。

「いい話ですね。ハイボール、もう1杯。それからホットドッグを」

 2度目の万博は終わったが、1杯のカクテルは55年の歳月を超えて、受け継がれた。サンボアのハイボールにも、受け継いできた味がある。

 このカウンターに立ち、ピーナッツをつまみに2、3杯のハイボールをごく短時間に飲み干しては、サッと立ち去る諸先輩方を、私は何人も見てきた。酒に強く、スマートな人は、ダラダラ飲まない。酒飲みたるもの、かくあるべし。そう教わったのはもう25年も前になるが、私の酒は、今もってダラダラと長い。

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