Netflixで話題「古畑任三郎」 伝説の神回《動機の鑑定》に描かれる古美術界のリアリティーに迫る
スピーディーに入札できる一方で、何かと紛らわしいため、素人が安易に使うのは禁物である。ちなみに、古畑の部下の今泉慎太郎は「千枚」と言うタイミングを間違えて、1万円から競りがはじまった仏像を125万円で落札する羽目になってしまった。しかも、その後に古畑が落下させ、真っ二つに割られてしまうという悲劇に見舞われている。
■現在も偽物は流通している
現在、贋作騒動の舞台はネットオークションに移っている。「鑑定団」を見ても、ネットオークションで買った壺が贋作だった、というパターンがよくある。一方で、ITビジネスなどで富裕層の仲間入りを果たした美術品のコレクターに贋作を売りつけて回る、悪徳な骨董商も存在するという。
特に若手の経営者は、古美術の世界について知識がないことが珍しくない。困ったことに、そういった人物をターゲットにして、贋作や、価値のほとんどない美術品を高額で売りつける骨董商もいると聞く。また、骨董商が客を騙すだけでなく、骨董商が骨董商を騙すパターンも存在する。
なお、「動機の鑑定」が放送された1996年から30年が経過しているが、その間も現実の世界では贋作を巡るトラブルが続発している。2021年には有名画家の偽版画が大々的にデパートで販売され、騒動になったことが記憶に新しい。贋作騒動はこの先もどうやら、なくならなさそうである。
(文=山内貴範)

















