(48)時には地元酒を
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多摩の田舎の小さな店の閉店は早い。
ここの主人は蕎麦を打ち、寿司も握る。ランチの定食として、寿司、天ぷら、刺身、蕎麦の4拍子がそろう。その贅沢さは夜も同じで、締めの食事を何にするか、即断するのは難しい。
この日の私もしばし悩み、鴨蕎麦を選んだ。その理由は、鴨とネギのつけ汁を啜りつつ、日本酒をもう1杯追加しようと考えたからだ。
これが正解だった。
汁を啜り、酒をひと口。また汁を啜っては酒をひと口。おもむろに蕎麦に箸をのばし、また汁へもどって、酒へと流れる。締めの飯が、蕎麦酒という、なんともいじましい形になった。最後まで飲みたがる姿勢に、自分のことながら、笑いが出た。そんなにまでして飲みたいか? 自分にそう聞いてみると、そうだ、その通りだという答えが返ってくる。
ときには地元で、こんなひとり酒も悪くない。

















