「ずぶ六の四季」 大竹聡著

公開日: 更新日:

 著者は酒を飲み始めて40年近くなるが、ここ数年、さらに酒がうまくなってきたという。20代の頃、腹に染みてポッと体の中に火がともるような感覚を「うまいなぁ」と感じていたが、中年になってその頻度が高まった。

 酔っぱらい生活の長い著者だが、朝からは飲まない。朝はまだ二日酔いの真っただ中だからだ。しかし、旅先では朝酒をする。たとえば北九州では行けば必ず寄りたい角打ちがあって、そこでは地元の客が黙って1、2杯飲み、すっと帰る。大抵、お年を召していて「その年齢まで朝から飲んで無事に生きてこられたのですね」と心強くなる。

 家でも飲むが、燗(かん)酒をチロリで用意するのが面倒で、やかんに酒を入れそのまま加熱して燗にする。これを冷やさずに飲むなら湯飲みに限る。茶を飲む気分でぐびぐびとやる。やりすぎると、当然、使いものにはならない……。

「酒で馴染んでいる」という著者の四季折々の酒風景をつづった、“酒愛”あふれる144編収録のエッセー集。

 酒場での注文の呼吸から、夏にはハモやタチウオと土地の地酒を、最後の晩餐(ばんさん)に食べたい麻婆豆腐とビール、郊外の飲み屋で出された「剣菱」の樽のうまさまで。読めば酒を飲みたくなること請け合いだ。

(本の雑誌社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 2

    巨人はCSファーストSで敗退濃厚…今季DeNAと13勝12敗“ほぼ互角”に潜む落とし穴

  3. 3

    “引退説”の巨人・坂本勇人は来季も現役続行か…「特に二塁打記録更新には強い意欲」の証言

  4. 4

    簗農相「予算カット」恫喝発言が飛び火! 信じられない国交省調査で井林大臣は“火ダルマ”必至

  5. 5

    阪神が佐藤輝明のメジャー流出に備え“金満補強”か…吉田正尚、元MVPゴールドシュミットら浮上

  1. 6

    久保建英は所属クラブでの評価いまひとつ…人気俳優・福原遥との電撃婚でひと皮むけるのか

  2. 7

    『トゥ・オブ・アス』冷め切った関係で美しくハモる二度と共に歌えない2人の業

  3. 8

    壇蜜フルヌード「手取り33万円」の衝撃…芸能界“安すぎ”ギャラの相場と現在値

  4. 9

    (上)内閣改造をめぐる暗闘、そして保身…玉虫色の決着

  5. 10

    巨人2年連続V逸で再び始まる“見境なしの大補強”…床田、坂倉、吉田正尚に小園海斗まで照準

おすすめ求人情報

リモートUIデザイナー/全国どこでも勤務可能!/ギフト商品販売サイト
株式会社木の暮らし 東京都 中央区 正社員
年収350万円~600万円
正看護師・日勤のみ/在宅診療における看護業務全般/車通勤OK/寮・住宅手当有り
医療法人慈友会 堺山口病院 大阪府 堺市 正社員
月給23万4,000円~
医師・急募・富士見市の在宅医療クリニックで医師募集!当直・オンコールなし
みずほ在宅医療 埼玉県 富士見市 アルバイト・パート
日給9万円
「保育園・幼稚園」有資格/栄養士/上大岡駅 徒歩15分在宅勤務
別所保育園 神奈川県 横浜市 アルバイト・パート
時給1,300円~
Sponsored by 求人ボックス