迷走続く喫煙規制<4>加熱式たばこを規制対象にする厚労省新案のおかしさ

公開日: 更新日:

 厚労省の受動喫煙防止新案では、加熱式たばこも規制対象に含まれると報じられた。その理由が腑に落ちない。一部メディアは「一定の健康被害が確認できるとして、当面の間は喫煙スペースでのみ認める」と報じた。厚労省が正式に発表したわけではないので詳細は不明だが、「一定の健康被害」は何を指すのか。

 従来の「現時点では受動喫煙による健康影響についての知見は十分でない」とのスタンスから大きく踏み込むことになるだけに、具体的なデータで根拠を示すべきだろう。

 たばこ葉を燃焼しない加熱式たばこは、この1、2年で急速に普及し、日本では国内外のたばこメーカー3社が販売中だ。外資系金融機関は2020年には国内市場の20%以上を占める可能性があると予測している。加熱式たばこ人気の高まりで増税論議が浮上するなか、11月中旬、都内で「加熱式たばこの健康影響と税制のあり方を議論するシンポジウム」が開かれた。発言者の一人でギリシャ・パトラス大学薬理学部主任研究員のコンスタンチノス・ファルサリノス博士は、加熱式たばこの有害物質検出量の調査結果に言及。アセトアルデヒド、アクロレインなどを約90%削減したとする業界調査結果の紹介に続き、同博士らが行った独立調査でも「アイコス20本と紙巻きたばこ20本を比較した結果、アセトアルデヒド、アクロレインが約90%減少した」と報告した。そのうえで同博士は「紙巻きたばこと比較して燃焼がないので、リスクを軽減する」などとして、加熱式たばこは「ハームリダクション(有害性低減)の定義を完全に満たしている」と述べた。今後も独立機関による検証や疫学データは必要との立場だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安倍政権「賭けマージャンは賭博罪」過去の閣議決定で墓穴

  2. 2

    交際報道めぐり発覚「平祐奈vs橋本環奈」熾烈な争いと因縁

  3. 3

    黒川氏辞任は身内の司法取引 東京高検“ルール”なら3アウト

  4. 4

    軍国主義に協力した「NHK朝ドラ」モデル 自発的隷従の怖さ

  5. 5

    木村花さん死去の悲劇…視聴者はフィクションへの認識欠如

  6. 6

    安倍首相が承認に前のめり “アベ友薬”アビガンに黄信号

  7. 7

    同志社女子大・影山貴彦氏 エンタメは不要不急でも不可欠

  8. 8

    守護神辞任で…官邸が次の検察トップに据えたい“ミニ黒川”

  9. 9

    見限られた日本のカジノ構想 世界一の業者が豹変した背景

  10. 10

    親から勘当状態…近江アナ“15歳差婚”で生じたわだかまり

もっと見る