漫画家やぶうちゆうさんが告白 「虐待サバイバー」の葛藤
虐待事件が相次いでいる。加害者の親の行為は決して許されないが、加害者である親もまた虐待された経験があることが少なくないという。虐待の連鎖だ。裁判の過程で、子ども時代に親から暴力を受けたり、育児放棄をされていたり、あるいは精神疾患のある親のもとで育つなどで、まともな養育を受けていないことが明らかになることは珍しくない。だからといって、虐待を受けて育った人が、必ずしも我が子に同じことを繰り返すとは限らないのだ。子ども時代、虐待を受けながらも生きのびてきた「虐待サバイバー」でエッセー漫画家のやぶうちゆうさんに話を聞いた。
「虐待を受けた人が虐待を繰り返すと思われるのはつらい。ただ、受けずに育ってきた人と自分は違うという感覚もあります。私も子どもがいますが、初めての子育てはみんな、自分がどう育てられたかが土台になるでしょう。でも、虐待を受けてきた人は、それをやるわけにはいかないし、かといってどうしたらいいかわからない。他の人よりも精神的に大きな負担がかかっていることは確かです」
さらに、深い傷を負った虐待サバイバーにはこんなことも起こる。