「光麺」破産で鮮明に ラーメン業界チェーンは受難の時代
醤油豚骨ラーメンの草分けの「光麺」を運営する株式会社KMが東京地裁から破産開始決定を受けた。同社は1991年設立。95年、池袋駅前に第1号店を出して人気を博し、店舗数を増やしたが経営不振に。負債総額は9億8757万円に上るという。KM社は池袋西口店など3店舗を閉鎖し、他の6店舗はマリフィックという会社が引き継いで運営している。
ラーメン業界に詳しい料理評論家の小野員裕氏が言う。
「95年はラーメンブームの黎明期で、光麺は当時まだ珍しかった醤油豚骨味で若いお客を集めたのです。ところが間もなく、ブームが本格化し、次々とライバル店が出現しました。光麺は担々麺など新メニューを繰り出したものの、これによってラーメン専門店のイメージが薄れ、中華料理店の延長みたいな位置づけになってしまった。その結果、味にこだわる『花月嵐』や安さが売りの『日高屋』に駆逐されてしまったのです」
いまやラーメン業界は年間に1000軒がオープンして同じ数の店がつぶれるといわれる激戦。小野氏によると、「ラーメン屋でもやってみようか」と軽い気持ちで開店する人が増えているのが原因という。