安倍政権見殺し ルノーにしゃぶり尽くされる日産の末路
ゴーン逮捕の衝撃で大揺れの日産自動車が、仏ルノーとバックにいる仏政府に神経をとがらせている。仏政府はルノー株15%を保有する筆頭株主で、日産の意向を無視してルノーとの経営統合を推し進めているからだ。日産は同社株43.4%を持つルノーの出資比率引き下げを検討し、川口均専務執行役員が20日に官邸を訪問。防戦に動き回っているが、雲行きは怪しい。
ゴーン逮捕から間もなく、ルメール経済・財務相は「仏政府がルノー株主として最初に懸念するのはルノーと(日産、三菱自との)連合の安定だ」とし、日産の離反にクギを刺した。
一方、官邸で菅官房長官との面会を終えた川口専務は、「日本とフランスの関係もあり、両国の関係が保たれるよう政府としても見ていただければと思う」とコメント。日産が本社を構える横浜は、菅長官のお膝元だ。日産をのみ込もうとする仏政府に対抗するため、官邸に助け舟を求めたのか。
経済ジャーナリストの井上学氏は言う。
「仏政府への牽制という面があったようですが、それもあくまでポーズに過ぎず、日本政府の具体的な支援には期待していないようです。ゴーン体制以降の日産は政治との付き合いに消極的で、選挙支援にも力を入れてこなかった。菅長官が義理を感じるような関係ではありません」