無料配布も…前代未聞「初版100万部ビジネス書」の皮算用
出版業界に一石を投じたい
この年末年始、自宅の郵便受けを開けて「ギョッ」とした人も少なくないだろう。身に覚えのない本が投函されていたからだ。手に取るとカバーに「100万部突破!!!」という数字が踊る、ジェームス・スキナー氏の「史上最強のCEO」。経営者向けのビジネス書のようだ。
ツイッターなどのSNSでも、突然ポスティングされたこの本について驚きの声が拡散されている。
なにより出版不況のこのご時世、初版で100万部も印刷しているのは本当なのか。そして、無料配布をした理由は何か。2018年創業の版元、フローラル出版の担当者に話を聞いた。
「ジェームス・スキナーさんは、実売250万部の『7つの習慣』を日本で広めた経営コンサルタントです。親日家であるスキナーさんは今の日本企業の状況を憂えていて、その状況を少しでも変えるには経営者が変わらなくてはいけないという想いでこの本を出版しました。通常、書籍は3000~4000部からスタートすることが多いですが、一緒に本づくりをして行くなかで、『7つの習慣』を超える本にしていきたいと。そこで、『初版100万部で行かないか』とスキナーさんから提案されました」