三菱グループではないのに商標が使える「三菱鉛筆」の謎
私は原稿は手書きで、三菱鉛筆のユニボールシグノ太字を使っている。このボールペンはなかなか描きやすい。
ところで、三菱鉛筆は三菱グループの会社ではない。「会社四季報」を開くと、設立は1925年4月とある。三菱が岩崎家の三階菱の紋どころに由来する三菱を名乗る以前に、すでに三菱鉛筆は存在していた。だからみだりに三菱の名をつける会社を監視する「三菱商標事務打ち合わせ会」でも排除できない。
三菱グループには、三菱重工業、三菱商事、三菱電機、三菱自動車など、三菱の名を冠した冠称会社と、東京海上ホールディングス、日本郵船、ニコン、明治安田生命等の非冠称会社がある。要するに三菱と名のついた会社と、ついてはいないけれども三菱グループの会社とがあるということである。
ある幹部は「財界というのは三菱に対抗してできたものなんですよ」と言っていたが、確かに、経団連会長には三井系の東芝出身の石坂泰三や土光敏夫がなっているのが目につく。