オフィスビル空室率が16カ月連続で上昇…リーマン・ショック時以来の調整局面に突入
東京駅八重洲にまた新しいシンボルが誕生した。三菱地所の開発で6月30日に竣工した地上38階、地下5階、高さ約212メートルの常盤橋タワーだ。延べ床面積14万6400平方メートルで、9階から37階までを占めるオフィスは東京駅周辺で最も高いオフィスタワーとなる。
都心のオフィスは、コロナ前には働き方改革の推進でレンタルオフィス、シェアオフィスなどのサードプレースオフィスの増加で活況を支えてきた。ところが大規模ビルの相次ぐ竣工に加え、コロナウイルス感染拡大の影響で都市オフィスの空室率が急増してきているのだ。
■新シンボル常盤橋タワーは好調
仲介大手の三鬼商事(東京・中央区)によると、6月の都心の1フロアが100坪以上あるオフィスビルの空室率は6.19%と16カ月連続で上昇中だ。常盤橋タワーは地上38階のうちオフィス部分は29階と、全体の7割強を占めている。三菱地所の担当者が言う。
「こうした状況のなかで多くの引き合いをいただき、すでに東京海上ホールディングスさん、古河電気工業さんなど15社、9割のオフィス入居テナントが決定しています」