ユニクロ給与最大40%増に続く「23年春闘」“サプライズ賃上げ”の勝ち組は?
カジュアル衣料の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは11日、3月から正社員の年収を最大4割上げると発表した。松野官房長官は前向きに評価し、他社にも「最大限の賃上げを期待したい」と強調した。ユニクロの“サプライズ”に刺激され、各社は大胆な賃上げに踏み込めるのか。
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ファストリは昨年9月、国内のパートやアルバイトの時給を平均約2割引き上げたが、今回は国内の正社員8400人を対象に数%から約40%アップさせる。従業員の平均年収は約959万円だが、海外と比べると見劣りするため、国際的な人材獲得競争に負けない待遇が必要だと判断した。
他の大手企業でも積極的な賃上げの動きが出ている。キヤノンは20年ぶりにベアを実施し、基本給を一律7000円引き上げる。サントリーは春闘で6%の賃上げを目指す。
人手不足や物価高騰を背景に春闘でどこまで賃上げが進むのか。みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部のエコノミスト中信達彦氏はこう予測する。
「これまでとは異なり、今年の春闘は賃金を決定するにあたり、労働需給の逼迫や物価高を考慮する企業が少なくありません。人手不足や消費者物価指数などを踏まえて試算すると、主要民間企業(資本金10億円以上で従業員1000人以上の労働組合のある企業)の春闘の賃上げ率は2.59%と、25年ぶりの高い水準になりました」