急ピッチで1ドル140円台突入!24年は“円高イヤー”株高とインバウンド大打撃でアベノミクス終焉
円高が猛スピードで進行している。14日の東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=140円台後半を付け、4カ月半ぶりの円高水準となった。前日より5円近く急伸した。
13日のFOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利の見通しを示し、来年の利下げ回数の想定を従来の2回から3回に拡大した。これを受けて米金利が低下。日米間の金利差が縮小し、ドルを売って円を買う動きが広がった。
「来年は“円高イヤー”となるとみられています。FRB(米連邦準備制度理事会)が3回利下げするとして、日銀はマイナス金利の解除など利上げに踏み切る公算は大。ますます金利差が縮小しかねないからです」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
円高進行で、物価上昇の鈍化が期待できる一方、安倍政権時代から政府が力を入れてきた「株高」と「インバウンド」には大打撃だ。
「13日のダウ平均株価は利下げ期待から、3万7000ドルを突破し、史上最高値を更新しました。ところが、14日の日経平均はつられて上がらず、終値で前日比240円も下げた。円安下の株高を演出してきた輸出銘柄の売りが広がったためです」(市場関係者)
12月の日銀短観によれば、23年度下期の全規模・全産業の想定為替レートは1ドル=139.97円。この先、想定より円高になれば、輸出企業の収益は悪化し、株安につながりかねない。ちなみに、来年末の円相場について、大和証券は1ドル=123円、みずほ証券は125円と予想している。
■関連記事
-
語り部の経営者たち Geolocation Technology 山本敬介社長(5)プロバイダーに転職して手繰り寄せたアイデア
-
クルマは乗らなきゃ語れない スズキ eビターラ「399万円」の衝撃!インド生産、中国電池というニッポンEVの新しい勝ち筋がココに
-
語り部の経営者たち Geolocation Technology 山本敬介社長(4)ビル・ゲイツの「未来を語る」が未来を決定づけた
-
プロが読む 次のブレーク銘柄 「Genki Global Dining Concepts」元気寿司が描くグローバル顧客サイクル
-
語り部の経営者たち Geolocation Technology 山本敬介社長(3)同級生の甲子園出場で心の奥に火がついた