還流トップ級議員が個人パーティー収入の裏金化をシレッと「自白」…自民で過少記載が横行か

公開日: 更新日:

 悪あがきに過ぎない。安倍派の池田佳隆衆院議員が政治資金収支報告書を訂正。新たに総額約4800万円の収入を計上した。

 池田氏は2022年までの5年間に派閥から計4000万円超の裏金のキックバックを受けた疑いがあり、その額は派内トップ級。つじつま合わせの訂正とみられる。

 裏金を自ら申告し、東京地検特捜部の“お目こぼし”を期待したのかもしれないが、何を今さらだ。泥棒が盗品を返しても法的には罪が消えないのと同様、裏金疑惑は消せやしない。

 見過ごせないのは訂正が裏金の還流分に限らないこと。21、22年に地元・名古屋市で開いた個人の政治資金パーティーの収入も、計約1200万円増額。シレッと「過少記載」を認めたわけだ。

 金額の多寡はあれど、議員辞職に追い込まれた薗浦健太郎元衆院議員と変わらない。麻生派だった薗浦はパーティー収入など計4000万円超を記載せず、裏金化。政治資金規正法違反(虚偽記載など)で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令が確定している。

「21年9月に薗浦氏を刑事告発した時点で判明していたパーティー収入の過少記載は162万円に過ぎません。その後、検察の捜査で4000万円超まで積み上がりましたが、“自白”した池田氏もまだ過少記載を隠していても不思議ではないのです」(神戸学院大教授の上脇博之氏)

 多額の過少記載は14年に小渕優子選対委員長(茂木派)の事務所でも発覚。複数の関連政治団体間での架空の資金移動や、収支の過少記載で裏金づくり。特捜部の捜査で虚偽記載額は2億円を超え、元秘書2人が在宅起訴された。

自民党内は所属派閥を問わず『派閥がやるなら俺たちも』の感覚で、裏金づくりのため、議員個人のパーティー収入などの過少記載が横行している疑いすらある。今の自民に税金から数百億円単位の政党交付金を受け取る資格ナシ。約30年前の交付金導入に『泥棒に追い銭になる』と警告したのは金丸信・副総裁です。金権政治のど真ん中にいたからこそ理解できた『戒め』は今なお生きています」(上脇博之氏)

 過少記載による裏金を薗浦氏は遊興費に、小渕事務所は後援者向けの観劇会や慶弔費などに、それぞれ充てていた。池田氏は何に使ったのか、しっかり説明すべきだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    PR会社社長ダンマリ一転、全部ブチまけ“逆襲”の可能性…note投稿は斎藤知事と事前合意済みか

  2. 2

    斎藤元彦知事の選挙収支報告書で露呈した“隠蔽工作”の跡 PR会社への支出は代表務める政治団体経由という不可解

  3. 3

    杉田水脈がハシゴ外され参院転出に“赤信号”…裏金非公認の免罪符「政倫審」弁明は現職のみ

  4. 4

    不動産投資信託「J-REIT」低迷のワケ…マンションさらに高騰、オフィスも堅調なのにナゼ?

  5. 5

    「日本電解」経営破綻が波紋…上場企業では今年初、再建の道筋いまだ見えず

  1. 6

    自民裏金議員にまた公選法違反疑惑…福島地盤元職の関係先が家宅捜索されたと地元紙スッパ抜く

  2. 7

    企業・団体献金「廃止」を拒む組織内議員の実態…前回参院選直前には労組関連から5.3億円

  3. 8

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 9

    京成電鉄がオリエンタルランド株を一部売却…背景にある英アクティビストとの熾烈な駆け引き

  5. 10

    自民党ニンマリ…参院「裏金議員27人」出席の政倫審をNHKは“9時間”生中継するのか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言