著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

給与のデジタル払い 解禁から間もなく1年も導入進まず…いまだに申請事業者は4社だけ?

公開日: 更新日:

 DX社会を象徴する画期的な新サービスとみられている給与のデジタル払いが遅々として進んでいない。給与のデジタル払いは昨年4月に解禁されたが、1年近くが経過したいまも導入したという企業は聞いたことがない。それもそのはず、所管する厚生労働省に申請した事業者は、PayPay、auペイメント、楽天グループ、「Airペイ」を展開するリクルートホールディングスの4社にとどまり、審査そのものが長引いているためだ。

 給与のデジタル払いは、銀行口座を介さずにスマートフォンの資金決済アプリ口座に給与を直接入金できるようにするものだ。労働基準法では企業などの雇用主は現金で賃金を支払うことを原則として定められているが、例外として厚生労働省令で銀行振り込みなども認められている。

 この例外規定に資金移動業者のアカウントも加え、デジタルマネーでの支払いを可能にするもの。米国では「ペイロール」と呼ばれるプリペイドカードに給与を振り込む仕組みがあり、2022年で推計約840万枚が利用されている。日本でも同様の仕組みを導入することで、キャッシュレス決済拡大の起爆剤としたいという政府の思惑がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした