著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

京都名門企業の象徴「オムロン」苦境…純利益予想98%減、中国依存が徒に

公開日: 更新日:

 体温計・血圧計などで知られる京都の名門企業、オムロンが苦境に陥っている。

 オムロンは2024年3月期の業績見通しを下方修正し、純利益予想を前年度比98%減の15億円に引き下げた。昨年4月の年度初めには純利益745億円を見込んでいただけにその落差の大きさに驚かされる。しかも下方修正は昨年10月に続き2回目で、オムロンの株価は一時ストップ安に沈んだ。オムロンに何が起こっているのか。

 昨年6月に辻永順太氏が社長に就任するのと同時に、創業家の立石文雄会長が名誉顧問に退いた。

「会社設立以来、初めて創業家出身の取締役がいなくなり、求心力に不安が感じられる」(メガバンク幹部)と心配する声も聞かれる。

 オムロンは1933年5月、大阪市都島区東野田で立石一真氏が「立石電機製作所」を創業したのが始まりで、1948年5月に「立石電機」となった。「立石一真氏は京都財界の重鎮で、独自のサイニック(経営)理論を提唱するなど、戦後に起こった京セラの稲盛和夫氏や日本電産の永守重信氏が最も尊敬する企業家だった」(メガバンク幹部)とされる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ビジネスのアクセスランキング

  1. 1

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  2. 2

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白

  3. 3

    ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

  4. 4

    エネオスHD新社長はナルシスト?初の東燃ゼネラル出身“下剋上”トップ人事に日石組からは不満が

  5. 5

    キコーナ 木下春雄会長(1)パチンコ店業界3位のグループを率いる創業者の紆余曲折

  1. 6

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ

  2. 7

    トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

  3. 8

    メルシャン(キリングループ)大塚正光社長(1)入社2年目の姫路支店でアサヒ「スーパードライ」の猛攻に

  4. 9

    ダルトンがあすか製薬へのMBOを断念…最高投資責任者が送っていた無礼なメールと素人じみたミス

  5. 10

    キッズスター 平田全広社長(5)世界旅行を終えてサイバーエージェントに入社 アメブロと藤田晋社長の存在

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方