裏金議員の「証人喚問」に現実味…自民党は“小物界の大物”世耕弘成氏を差し出すのか?

公開日: 更新日:

 高まる世論のプレッシャーにあらがうことができるか。

 自民党派閥の裏金問題で、参院では初めての政治倫理審査会が14日開かれた。安倍派の世耕弘成前参院幹事長、橋本聖子元五輪相、西田昌司元政調会長代理の3人が出席したが、政治資金パーティー券販売のキックバックについて、経緯を「知らない」「記憶にない」と言うばかり。真相の解明にはつながらなかった。

 立憲民主党など野党は15日、「疑惑は深まった」として3人の証人喚問を要求。通常であれば与党が拒否して終わりなのだが、今回はひょっとすると実現するかもしれないという。

 裏金問題に対する世論は厳しい。知らぬ存ぜぬで通す安倍派議員の態度は国民の怒りの火に油を注ぎ、自民党内からも批判の声が上がっている。自民党が証人喚問を拒否すれば、「実態解明に後ろ向き」とますます風向きが悪くなるのは確実だ。

「来年度予算案は衆院で強行して年度末の自然成立が確定していますが、やはり参院としてもきっちり採決して成立させないと格好がつかない。来週あたりから日程のやりくりで駆け引きが激しくなる中、証人喚問が焦点になってくる。野党との取引材料として、『3人は無理だが1人なら』と、派閥幹部の世耕さんだけを証人喚問に差し出す可能性はあります。岸田総理も、昨秋の臨時国会で代表質問に立った世耕さんが『総理の決断と言葉には弱さを感じる』『政治家としての言葉で発信してほしい』などと酷評したことを忘れていないでしょうから、証人喚問にOKを出すんじゃないでしょうか」(自民党国対関係者)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  2. 2

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 3

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  4. 4

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  5. 5

    日中関係の悪化がもたらす「生活格差」…100均に並ぶ“Made in China商品”にもいずれ余波が

  1. 6

    「S&P500+ゴールド(金)への投資」が再注目! リスクを抑え収益を狙う“最強の組み合わせ”

  2. 7

    飲食チェーンでは続々と国産米“離れ”が…消費者は「購入時に重視」が83%占めるも大きく乖離

  3. 8

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  4. 9

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  5. 10

    どうなる2025年の忘年会? インフル大流行、インバウンド、実施企業減で飲食店に“三重苦”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因