日本製鉄に立ちはだかるUSスチール巨大労組と族議員たち…買収完了への道のりはまだ1合目
日暮れて道遠し──。日本製鉄関係者にとってはそんな思いだろう。日鉄が米国鉄鋼大手、USスチールに対して提案していた買収計画が先週末、同社の臨時株主総会で承認された。
だが買収実現に向けての正念場はむしろこれからだ。米当局の認可を得る必要があるからだ。行く手には昨年12月の買収計画公表以来、一貫してそれに「反対」し続けている米国最大級の労働団体、全米鉄鋼労働組合(USW)と、USWの意を受けた「スチール・コーカス」と呼ばれる連邦議会の鉄鋼族議員ら“難敵”が立ちはだかる。
株主総会で日鉄の買収計画は約71%の賛成を獲得した。日鉄が提示したTOBによる買収価格は1株55ドル。計画発表直前のUSスチール株の終値に4割超のプレミアムを乗せており、「承認」は半ば既定路線とみられていた。
米当局の認可取得のために今後本格化する審査は2つの観点から実施される。対米外国投資委員会(CFIUS)による経済安全保障上の問題と、司法省および連邦取引委員会(FTC)による競争政策上の視点だ。
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