介護事業者の倒産急増 〈胸を触る〉〈キスを要求〉…職員の2割がハラスメント被害で人材流出

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 高齢化で需要が拡大する介護業界の先行きがますます不安になる。

 6日、東京商工リサーチが発表した調査で今年1~8月の介護事業者の倒産は前年同期比44.3%増の114件に上り、過去最多ペースとなっていることが判明。物価高やコロナ禍のダメージに加え、人手不足で経営環境が厳しい上に、職員へのハラスメントが人材流出に拍車をかけているという。

 介護従事者の労働組合「日本介護クラフトユニオン」(NCCU)は先月末、「2024年度就業意識実態調査」を発表。最近2年以内に利用者や家族からハラスメントを「受けた」と回答したのは、月給制組合員3691人のうち26.8%。1932人の時給制組合員では20.8%に上った。少なくとも5人に1人が被害を訴えている。

 具体的には〈胸を触る〉〈無理やりキスを要求する〉〈物を投げつける〉〈正座を強要され15分間怒鳴られた〉〈必要以上に陰部を触るよう言ってくる〉など。追いつめられる職員の姿が目に浮かぶようだ。

「ハラスメントにより、一定数の離職者が出てしまっていることは否めません。利用者の中には認知症の方や、ストレスを抱えている方がいるのは理解しています。それでも、ハラスメントは容認できません」(NCCUの調査担当者)

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