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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

「粉飾」倒産が過去最多更新へ…大胆かつ巧妙な手口がバレる理由は“ささいなボロ”から

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 契約先企業の粉飾した決算報告書を銀行に提出して融資金約5000万円を騙し取ったとして、大阪府警は12月5日、詐欺の疑いで、大阪市淀川区の経営コンサルタント会社「エムエスジー」社長の平井登容疑者と、ハウスクリーニング会社「ベンリッチ」社長の山口博巳容疑者を逮捕した。平井容疑者はベンリッチとコンサル契約を結んでおり、粉飾決算の指南役だったとみられている。エムエスジー、ベンリッチとも昨年破産している。

 2人はベンリッチが債務超過状態に陥っていたにもかかわらず、経営や財務状況に問題がないように見せかけた虚偽の決算報告書を銀行に提出し、融資金を騙し取った疑いが持たれている。

「平井容疑者は都市銀行の出身で、銀行が融資する際の審査ポイントを熟知していた。その経験を悪用し、虚偽の黒字決算書をでっち上げる手法を指南していた」(金融筋)とされる。

 元銀行員が粉飾を指南するとは論外だが、ここにきて企業の粉飾が露呈するケースが増えている。2023年には、40~50種類もの偽の決算書を作成し、“世紀の大粉飾”といわれた老舗ベアリング専門商社「堀正工業」の破産事件が注目を集めた。

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