著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

ソフトバンクGは米AI開発に78兆円投資…石破首相と経団連が頭を抱える「国内設備投資」の苦しいソロバン

公開日: 更新日:

■「円売り」加速の危険性

 実は「家計も企業もキャピタルフライトを加速させている。投機筋は仕掛けどころを探っているのかもしれない」(市場関係者)とされる。条件次第では投機筋による「円売り」が一気に進む危険性すらある。

 家計部門での最近の動きは海外向けの投資信託が好調で、財務省統計では昨年の海外株式に対する投資信託の純投資額は10兆円と23年の2.9倍に達している。今年に入って倍増に近い伸びを示しており、今の勢いでいけば20兆円になるかもしれないと予想されている。家計部門からの資金の海外流出がかなりの勢いで伸びているわけだ。

 石破茂首相と経団連の十倉雅和会長らは1月27日、会合を開き、十倉会長は民間企業の国内設備投資について「2030年度に135兆円、40年度に200兆円を目指して官民で努力すべきと考えます」と強調した。国内のリスクマネーが海外に流出している現状に危機感を持っているのだろうが、「家計・企業とも海外の成長を取り込もうと海外投資に動いている。国内の成長力は相対的に見劣りする」(市場関係者)と言っていい。笛吹けど踊らずにならなければよいのだが……。

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