大阪万博会場の“爆発”リスクはやっぱりヤバい…高濃度メタンガス問題に国や府は安全強調も、識者が疑問符

公開日: 更新日:

 開幕まであと4日の大阪・関西万博。先週末に行われたテストランでは、高濃度のメタンガスが会場内で検知され、消防が出動する事態にまで発展した。

 異変に気付き通報した大阪府守口市の寺本健太市議(共産党)が8日に記者会見を開き、経緯を説明した。元消防士の寺本市議は今月6日のテストランを視察した際、ガス検知器を持参。昨年3月に爆発事故が起きたトイレ付近のマンホールを測定したところ、引火すれば爆発しうる最低濃度(5vol%)を超えるメタンガスが検知されたという。

 開幕直前になってもなお、メタンガス対策の不備が露呈したわけで、寺本市議は「『いのち輝く未来社会のデザイン』と言っておきながら、いのちが吹き飛ぶ危険がある」と、安全管理体制を批判するのだった。

 騒動を受け、大阪府の吉村洋文知事は同日、メディアの取材に応じ「メタンガスは空気より軽いので自然換気すれば対応できる」とコメント。政府も林芳正官房長官が会見で「換気を行ったところメタンガスは検出されなくなったことから、一時的に濃度が上昇したものと考えられる」「会場全体に広がるような事象ではなく、すでに追加対策を講じたと聞いている」などと述べ、安全性の問題を否定した。万博協会は今後の対策として、ガス濃度のモニタリングの頻度を上げるほか、換気を強化するためマンホールのふたを常に開け、人が立ち入らないよう柵を設けるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  4. 4

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

  2. 7

    ホタテ漁で栄華を極めた北海道猿払村は中国への輸出停止でどうなった?漁師はメディアに“警戒モード”

  3. 8

    日産本社ビルを970億円で事実上買収…台湾系自動車部品メーカー「敏実集団」の狙い

  4. 9

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  5. 10

    防衛網は大丈夫か? 危惧される日本のデジタル脆弱性…競争力ランクは中国、韓国より下位

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?