「業績連動型」は時代に合わない? ボーナスなくす大手企業の狙い…ソニーグループは4月から新報酬制度スタート
大和ハウスは、今年度の大卒初任給を10万円引き上げ35万円として注目されたが、給与水準を大幅に変えるため、賞与の一部を給与に組み入れ、賞与と給与の比率を見直す賞与の給与化を実施している。
玩具大手のバンダイも今年度の大卒初任給を29万円から30万5000円に引き上げた。賞与の一部を給与に振り分ける賞与の給与化での賃金制度の見直しの結果だ。大手企業のボーナス廃止(または割合を下げる)についてバンダイに在籍経験のある千葉商科大学の常見陽平准教授がこう述べる。
「私がいたエンタメビジネスはとくにはやり廃りが早く、業績がいい時は賞与が多くても、業績が悪化すれば金額はガクッと下がった。その結果社員は新しい仕事に無理にチャレンジしなくなる。賞与の割合が多い業績連動型ではとくにこうした傾向があります」
そしてこう続ける。
「給与に賞与の何割かを振り分け安定した給与で仕事にチャレンジすることは、すぐに結果が出なくても時間をかけ取り組むことで成果が期待できる。人材獲得競争が激しく、安定した仕事の環境をつくることで優秀な人材を確保し、引き留めることが賃金改革の狙いです。ただ、賞与をなくす企業が劇的に増えるとは思えません」
2024年にボーナスを支給した企業は夏73%、冬77.8%(厚生労働省「毎月勤労統計」)。約8割の企業のサラリーマンがボーナスを待ちわびている。
(木野活明/ジャーナリスト)