医療機関の倒産は過去最多ペース…「ある日突然、病院がなくなる」地域が急増する衝撃
医療機関の倒産と共に急増しているのが、施設の休業・廃業・解散だ。先の調査によると24年の休廃業・解散は604件(病院17件、診療所587件)。だが今年1~5月では既に300件と、このままのペースでいくと年間700件を超えるとみられる。
診療所は全国に10万5346施設あるが、70歳以上の経営者は全体の54.6%と過半数を占め、後継者候補がいない施設は50.8%(日本医師会調べ)と、高齢化が深刻な問題となっている。
高齢化が進めば診療所の休廃業・解散は増え続けることが予想される。
医師の高齢化と共に懸念されているのが施設の老朽化だ。病院建物の法定耐用年数は築40年といわれるが、NHKの調査によると、現在40年を超える病院が全国に1600件を超えるという。病院の信用や入院患者の安心のため建て替えを検討する病院もあるが、建築費の高騰や、建て替えの代替え土地の確保、移転にかなりの資金が必要となる。将来的な資金繰りの見通しが難しいといった理由で廃業・解散する病院が今後も出てくると思われる。