広島災害そっちのけ…別荘にとんぼ返りした安倍首相の感覚
ドドドッ――。
暗闇に不気味な地鳴りが響き、大量の土砂と岩が住宅を一気にのみ込んだ。2~11歳の男児3人を含む計39人が死亡、7人が行方不明になった20日の広島市の土砂崩落災害。泥水に漬かり、押しつぶされた住宅の周囲からは「助けて!」という悲痛な叫び声が飛び交ったという。現場では21日も未明から、広島県警や自衛隊員による行方不明者の捜索活動が続いている。
それにしても突然の大惨事に対し、改めて危機意識の乏しさが浮き彫りになったのが安倍首相の行動だ。安倍首相は20日午前7時20分ごろ、山梨県鳴沢村の別荘を出て富士河口湖町のゴルフ場に移動。午前8時ごろから、森元首相らとプレーを楽しんだ。災害対応のために中断したのは1時間近く経ってからで、その後、サイレンを鳴らす緊急車両に先導され、高速道路を時速130キロでスッ飛ばし、午前11時に官邸に到着した。
■数時間でまた山梨へ
官邸サイドは安倍首相が午前6時半に関係省庁、機関に指示を出していたとして、危機対応に「問題なし」との姿勢だが、とんでもない。気象庁が広島市に土砂災害警戒警報情報を出したのは20日午前1時15分。市が避難勧告を出したのは午前4時20分だ。つまり、大災害は早い段階で予測できたのに、安倍首相はゴルフを強行したのである。