毛並だけは超一流 酒と従順で留任した岸田文雄外務相
■岸田文雄外務相(57=広島1区、当選7回)
政界随一の酒豪だ。昨年11月、ロシアのラブロフ外相が来日した際に夕食会で広島の地酒を相手の杯につぎ、3時間にわたって酒量を競い合ったとの逸話が残る。
当選同期の安倍首相と親交を深めたのも、酒がきっかけ。駆け出しの頃に在籍した党青年局主催の台湾交流イベントで、青年局長だった下戸の安倍首相に代わって酒豪揃いの台湾政治家らの歓迎の酌を一手に引き受けた。その甲斐あって出世の登竜門、青年局長ポストを安倍首相から受け継いだ。
内閣改造の前日も派閥事務所で夕方から一杯やっていたという。
「おとなしそうに見えて普段は“べらんめえ口調”なんです。一時は幹事長に本命視されていたのに、この日は<幹事長なんて誰でもいい。総理がいればいいんだよ>と大荒れ。<福島と沖縄(の知事選)で負けたらポイ捨てだろ。そんな幹事長は誰も受けねえだろ>と言いたい放題でした」(外務省事情通)
●霞が関一族 東京・原宿生まれ。母親は日東製粉の井口良二元社長の次女。開成高から早大法に進学。82年に卒業後、旧長銀に入行。5年で辞め、衆院議員を務めていた父親の岸田文武の秘書になった。92年に逝去した父親の地盤を継ぎ、翌93年に初当選。07年の第1次安倍改造内閣で初入閣。12年に政界引退を表明した古賀誠氏から宏池会会長を継承、岸田派になった。