高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

格差拡大を推し進める「官製春闘」のおぞましさ

公開日: 更新日:

 トヨタはベア4000円、日産はそれを上回るベア5000円――。最大のヤマ場である「集中回答日」を過ぎた今年の春闘は連日、景気の良い話が新聞紙上を賑わせていた。

 今年も昨年に続き、安倍首相が率先して財界に賃上げを迫る特異な展開となった。自動車・電機など輸出型の製造業大手では、昨年を超える高額回答が目立つ。安倍首相が「自分の手柄」のように勝ち誇る姿が目に浮かぶが、日本経済はとても手放しで喜んでいられる状況ではない。

 春闘の高額回答はアベノミクスの円安政策を享受し、海外で儲けている輸出大手に限定した話に過ぎない。こうした企業は昨年6月からの原油安により、製造コスト削減の恩恵も受けた。あり余るほどの資金があるうえ、安倍政権には法人税を減税してくれた恩義もある。ここは「賃上げ圧力」にひれ伏し、安倍路線に賛同する姿勢を示しておこう。ベアに応じた輸出大手の経営者のホンネはそんなところだ。

 春闘は日本独特の労使交渉である。今年で60回目を迎える春闘の歴史を振り返っても、時の政権がここまでロコツに民間の労使交渉に介入したケースはない。まさに“官製春闘”と言わざるを得ない状況は異常というほかはない。賃金は労働市場の需給に応じて決まるという経済原理からも大きく逸脱している。

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