高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

ユーロ圏で顕在化した主権喪失の危うさ

公開日:  更新日:

 反緊縮派の勝利で、ギリシャのデフォルト(債務不履行)がいよいよ現実味を増してきたが、日本の債務状況は欧州の老大国以上に深刻なレベルに達している。

 ギリシャの政府債務残高は2015年3月時点で3130億ユーロ(約42兆円)。対GDP比は177%だった。一方、日本の政府債務残高は1000兆円を超え、対GDP比229%と、数字の上では破綻国家ギリシャをはるかに凌駕している。

 かような危険水域に達しながら、日本が破綻を免れているのは、ギリシャが手放した権利を保有していることが、大きな理由のひとつだ。つまり、通貨発行と金融政策の自主権である。

 ギリシャ・ショックがあぶり出したのは、EU参加国の「主権喪失」の危うさだ。統一通貨を使うため、独立国としての基本政策である通貨発行権を放棄する。ユーロ圏内の各国は自国通貨でありながら、ユーロの供給量の調節など金融政策を自由に行使できない。その結果、財政状況に不測の事態が生じると、瞬く間に国家経済がコントロール不能に陥ってしまう。

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