倉持麟太郎
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倉持麟太郎弁護士

1983年生まれ。慶大法学部を経て中大法科大学院卒。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属。15年3月、日本弁護士連合会・憲法問題対策本部幹事、15年4月、第二東京弁護士会憲法問題検討委員会幹事。慶大法科大学院非常勤講師。安保法をめぐり、衆院特別委で参考人として意見陳述を行った。

<第2回>ただの妄想の法案化 “存立危機事態”に立法事実なし

公開日:  更新日:

 新たな法を制定するときには、その法の制定の必要性を支える「立法事実」が存在する。「立法事実なき立法」は、ただの妄想であり、いわんやこれが違憲の問題にわたる場合は、ただの「悪夢」である。

 今回の安保法制では、新たに武力攻撃の概念を広げ、我が国と密接な他国に対する外国の武力攻撃(「存立危機武力攻撃」という)により、我が国が「存立危機事態」に陥ると、限定的集団的自衛権が行使できる。つまり、存立危機事態として想定されているものが、本法制の立法事実になるのだが、そんな事態がありうるのか。

 存立危機事態防衛の基礎になる(1)【間接攻撃型=ホルムズ海峡】と(2)【直接突発攻撃型=日本海有事】に分けて考えてみよう。

 まず、政府がよく言及する(2)ホルムズ海峡事例だが、米国が中東の第三国と戦闘状態になり、ホルムズ海峡に機雷敷設されても、機雷敷設行為をもって我が国の存立危機事態にはならない。石油ルートが遮断され、150日間の備蓄期間も経過し……餓死者が出るような事態になったときに初めて存立危機事態を認定し、そこからさかのぼって、150日前の機雷敷設行為を存立危機武力攻撃と認定する。この場合、この間に他国が機雷掃海した場合や、ホルムズルート以外の石油ルートが確保された場合(経済的不利益のみの場合)は、存立危機武力攻撃はなくなったことにするのか。おそらく、他国だって、手をこまねいているわけではないだろうから、そもそも、ホルムズ事例で存立危機事態に陥ることがあるのかどうかは疑問だらけだ。

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