高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

地震を口実にまた責任から逃げるのか

公開日:  更新日:

 与党幹部や官邸周辺から「熊本地震の被害がどこまで広がるか分からない中で、消費増税は延期せざるを得なくなった」との発言が相次いでいる。

 それはその通りで、20万人ともいわれる家を失った人々がいつ終わるとも知れない避難生活に苦悩し、その救命・救援、住宅の再建、インフラの復旧がどれほどの経済的・財政的負担になるのか予測も立たない状態で、予定通り消費増税は断行しますなどと言えるわけがない。当然、その消費増税延期を口実に安倍晋三首相が企んでいた衆参ダブル選挙も消えたと見て差し支えない。

 そのことを、自民党ベテラン秘書に問うと、「こういう言い方は不謹慎かもしれないが、これで一番ホッとしているのは安倍さんでしょう」と、こう言う。

「アベノミクスの失敗は誰の目にも明らかで、最後の切り札のマイナス金利も空振りに終わった。安倍さんとしては、それが失敗だったとは死んでも認められないから、中国経済の失速とか世界経済の停滞とか外部環境のせいにして、ノーベル経済学者まで呼んで『消費増税をできる状況ではない』と言わせて、世論の地ならしに励んできた。しかし世論もバカではないから、それが失敗隠しの小細工にすぎないことは見抜いている。そこで、増税延期を口実にダブル選挙を打つという2度目の奇策に訴えて、何とか切り抜けられないかと苦悩してきた。しかしダブル選には自民党内でもあまりに無謀だと反対が強い。それが地震で救われたのです」

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