高野孟
著者のコラム一覧
高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

日中漁業協定も読まずに「中国脅威論」をあおる愚

公開日: 更新日:

 8月初めから数百隻の中国漁船が中国海警局(日本の海保に相当)の公船と共に「尖閣周辺」に押し寄せたことについて、日本国内の報道はあまりに扇情的だ。「南シナ海だけでなく東シナ海でも、いよいよ習近平政権が強権的な行動に出てきた」といった論調があふれかえり、ネットでは「あれは漁民でなく軍事訓練を受けた海上民兵が乗り組んでる」という類いの流言飛語まで出て、新たな“中国脅威論”の高まりが現出している。

 退職後も霞が関周辺で情報関係の仕事に携わる元外交官がこう嘆く。

「日中漁業協定も読んだことがないような記者が、こういう記事を書いているのでしょうね。ご承知のように、尖閣については領有権で日中は折り合わず、従って12カイリの領海、その外側12カイリの接続水域、さらに200カイリの排他的経済水域に至るまですべて折り合わない。しかしそれでは両国の漁民が困るので、97年の日中漁業協定で『暫定措置水域』を設定して、そこでは両国の漁船はお互いに、相手国の許可を得ることなく操業でき、両国の公船は自国の漁船についてのみ取り締まる権限を持つことにした。今回の事態は、中国側が設定している禁漁期が8月1日までなので、待ちかねた中国漁民がドッと押し寄せたというだけの話です」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神またお家騒動…矢野監督に危惧される金本氏の“二の舞”

  2. 2

    ゴーンに国外追放&暗殺の可能性 レバノン反政府デモ拡大で

  3. 3

    米倉涼子「ドクターX」打ち切り説 医療モノ“本家”に何が

  4. 4

    AKBを他山の石に…乃木坂46白石麻衣に見る高嶺の花の功績

  5. 5

    子供には食べさせたくない 高カロリーな異性化糖入り菓子

  6. 6

    ゴーンが極秘に語った「日産は2~3年以内に倒産」の現実味

  7. 7

    結納の情報も…嵐・櫻井の元ミス慶応彼女が歓迎されるワケ

  8. 8

    鳥谷に移籍情報飛び交うも…掛布氏出馬で虎電撃復帰急浮上

  9. 9

    まるで掃きだめ…衆院決算行政監視委に“問題議員”がズラリ

  10. 10

    三菱重工業<上>創業の地「長崎」から造船の灯が消える日

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る